礼拝堂

教会・聖堂・礼拝堂

キリスト教の教会は、しばしば聖堂と呼ばれたり、礼拝堂、チャペルと呼ばれたりすることがあります。
日曜礼拝や、ミサ、結婚式、葬儀など、教会でも、聖堂でも、礼拝堂でも、行うことはほとんど変わりがないように思えるのに、わざわざ呼び名が違っているのにはどういった区分があるのでしょうか?

教会、聖堂、礼拝堂…これらの単語の使い分けには、実は明確な区分があるわけではありません。さきにあげたとおり、どの施設であっても、基本的に行う儀式は変わらないからです。

ただし、カトリック教会の場合は、司教がいる教会のことを聖堂(大規模な教会の場合は大聖堂)と呼び、区別されていることもあります。

また、基本的に「教会」というのは、キリストの名のもとに多くの人が集まる共同体という意味があるのですが「礼拝堂」というのは、その中でも特にミサや礼拝、宗教的儀式を行う場として範囲を限定している場合もあります。

どういうことかというと、例えば巨大な教会で、中にいくつも部屋があるような場合に、祈りをささげる部屋のことを限定して「礼拝堂」としているパターンです。

 

礼拝堂のマナー

日本では、厳密な宗教施設ではなく、結婚式を挙げるための施設として、結婚式場の中に教会風の一室を設けている場合がありますが、このような場合も、この教会風の一室が「礼拝堂」もしくは「チャペル」などと呼ばれているようです。

また、ミッション系の学校で他の施設とともに礼拝施設がもうけられているような場合は、その場を教会と呼ぶのではなく「礼拝堂」もしくは「チャペル」と呼ぶこともあります。

いずれにせよ、礼拝堂では、礼拝やミサなど厳格な宗教儀式が行われますから、中に入る場合には失礼のないようにマナーを守ることを忘れてはなりません。

特に日本人は、キリスト教になじみがない人が多いこともあって、礼拝堂の中などを興味半分に見学したりすることもあるようです。
たとえ一般公開されている礼拝堂であっても、そこは信仰の場であるということを考え、大声で騒いだり、はしたない恰好はしないように注意したいものです。

教会とは

私たちが日ごろ「教会」と聞くと、イメージするのはキリスト教の教会でしょう。
キリスト教を信仰していない人でも、教会といえば、十字架があって、中には祭壇や宗教画などがあって…という、建物を思い浮かべることができるのではないでしょうか。

しかし、実はキリスト教で「教会」というのは、建物ではなくキリスト教を信仰する人々の集まりそのものを示していました。
初代の教会が誕生したのは、イエスが昇天してから40日後、ペンテコステと呼ばれるユダヤ教のお祭りの日であったといわれています。

この日、イエスの弟子たちは、エルサレムに集まっていたのですが、その際に弟子たちの上に聖霊が降り立ち、これをきっかけにして各地に布教が行われるようになりました。

この出来事はのちに「聖霊降臨」と呼ばれ、キリスト教会の誕生を表すうえで非常に重要な一日とされています。

 

キリスト教の拡大と教会

このように、初代教会はユダヤ人の信徒の集まりから誕生しましたが、やがて彼らはエルサレムを離れ、遠くローマにまでキリスト教を広めていきます。
その後、長い年月を経て、キリスト教は世界各地に広がっていきますが、その間にはローマ帝国による迫害もありましたし、キリスト教を国教化し、政治的に利用するような動きも見られました。

もちろん、信者たちはその間もさまざまな場所に集まり、信仰を深めていきましたが、その結果各地にいくつもの教会建築が建築されることとなりました。

特に、313年にキリスト教がローマ帝国の公認宗教として定められると、当時の皇帝であったコンスタンティヌスは「一つの帝国、一つの教会」を政策の要としてかかげ、ローマ、アンティオキア、アレクサンドリア、コンスタンティノポリス、エルサレムを五つの総主教区として、帝国組織と教会組織を同一化させる試みが進められました。

コンスタンティノポリスの聖ソフィア大聖堂や、ローマのサンピエトロ大聖堂など、現在も残る荘厳な建築物は、この時代に国庫負担で建設されたものとなります。