神殿

神社と教会

宗教的な儀式に欠かせない場のひとつに「神殿」が挙げられます。

神殿の解釈については諸説ありますが、神を祀る場としての神殿であれば、おそらくほとんどの宗教に神殿が存在すると考えてよいのではないでしょうか。たとえば、日本の神社。

日本には数多くの神社が存在しますが、一般的な神社のつくりというのは本殿・幣殿・拝殿といった空間に分けられています。このようなつくりからなる神社の場合「神殿」にあたるのは、神霊を宿す「ご神体」を安置してある本殿です。
神社によっては、本殿の呼び方をご神殿、神殿などと呼ぶ場合もあります。キリスト教の場合はどうでしょう。

キリスト教の場合は、礼拝堂が神殿と同じ役割を果たします。なぜなら、礼拝堂では礼拝はもちろん、ミサや聖餐の儀式など、神にささげる様々な儀式が行われるからです。

しかし、日本の神社とは違い、キリスト教では何かに神が宿るという考え方はしません。したがって、すでに神殿に安置されているご神体を拝むというよりは、キリストの名のもとに神殿に人々が集まり、礼拝をおこなうことによって人間は神と会見することができるという考え方であるという違いがあります。

そのため、日本の神社の場合は、それぞれの土地に神社が作られ、神殿(本殿)が設置されますが、キリスト教の場合は世界各地のどこにでも教会を神殿として設置することができるのです。

 

ユダヤ教と神殿

もっとも、神殿で神を祀るという考え方をもつ宗教には、キリスト教のベースにもなっているとされるユダヤ教があります。
現在は神殿を持たず、各地に建てられた「シナゴーグ」と呼ばれる会堂で祈りをささげるなどして信仰を深めているユダヤ教ですが、ユダヤ教といえばかつては聖地エルサレムに神殿を持ち、そこで神にささげる儀式を行っていたのでした。

残念ながらユダヤ教の神殿は歴史の流れの中で破壊され、今はそこにイスラム教の寺院が建てられています。この寺院は、岩のドームと呼ばれるイスラム寺院で、礼拝所としてではなく、神聖な岩を祀る神殿として管理されています。