正教会

民族的特徴の強い正教会

キリスト教の教派といえば、カトリックやプロテスタントなどが有名ですが、カトリック、プロテスタントについで信徒が多いといわれている教派に正教会があります。
正教会は、東方正教会、ギリシャ正教とも呼ばれ、東西教会の分裂によって発生しました。

西方のローマ・カトリック教会がゲルマン世界へと拡大をしていったのに対し、正教会(東方正教会)はスラブ世界を中心としてあまり拡大はせず、イスラムの支配下に入ったものも多いといわれています。

その結果、正教会はカトリックのように統一的な組織とはならず、各国ごとに民族的な特徴を色濃く持った教派となっています。

正教会の筆頭は、名目上はコンスタンティノポリス世界総主教区となっており、モスクワ、ルーマニア、セルビア、ブルガリアなどの総主教区などに組織化されていますが、実際のところは各国とも教会が自立しており、各国それぞれの教会ごとに独自の典礼(礼拝)を行っています。

正教会の礼拝

キリスト教では礼拝が必ず行われますが、正教会の場合は礼拝のことを奉神礼と呼びます。
奉神礼は他のキリスト教がそうであるように、聖堂内で行われますが、正教会の聖堂にはイコンと呼ばれる聖画像が並べられているのが特徴的です。

イコンは芸術性・装飾性に優れたものですが、その目的はあくまでも礼拝にあり、イコンを見た者を神の世界へといざなうものとしての意味があるのだといいます。
このように、神秘的なイコンが並べられた聖堂で行われる正教会の典礼は、非常に華麗なものです。

ちなみに、正教会でも礼拝の重要な儀式のひとつである聖餐が行われますが、正教会の聖餐は酵母入りのパンを小さくちぎって行います。
小さく割かれたパンは葡萄酒に浸され、スプーンのような祭具を使って信徒の口へと運ばれるのです。

日本では正教会は1861年に箱館ロシア領事館主任司祭であったニコライによってもたらされました。
御茶ノ水にある東京復活大聖堂(ニコライ堂)は、ニコライの精力的な宣教活動によって完成した日本の正教会の代表的な建造物です。